飲食店の内装工事・設備工事にかかる費用と注意点について
【設備工事1】空調工事にかかる費用と注意点

飲食店では内装工事をするときに、空調設備は欠かせません。暑くても寒くてもお客様はゆっくりと食事をすることができないので、適度な温度を保つようにすることが大切です。ただ家庭用のエアコンではなく業務用のものを使うことになりますが、業務用のエアコンは馬力が表示されています。
飲食店においては調理をするため、温度を上げることよりも冷房のほうを重視する必要があります。そのため店の広さに合わせた機器を使うというよりも、どんな火力の調理をするのかということを考えることが重要なのです。例えば一般的なカフェよりも中華料理のように火力の強い料理を提供する店の方が、馬力の強いエアコンを選ぶということになります。
また室内機に関しては店内にまんべんなく温度設定ができる場所を探して接地すると良いのですが、問題は室外機の場所になります。道路に面した店なら近隣に騒音などで迷惑をかけない場所に設置をするのですが、ビルの中など高層階に店がある場合は、クレーンを使って室外機を上げたり室内機との距離が遠くなって表示されている馬力が出ないこともあるので、室外機を置く場所や馬力に関しては専門家と相談をして機種を選ぶことが重要になってきます。
費用に関しては、一般の家庭のエアコン設置工事でも設置場所や条件によって費用が異なるのと同じように、同じ機種のエアコンを設置するにも差が生じます。業務用エアコンの場合は10万円から25万円くらいまで幅があり、天井カセットや天井ビルトインの場合は条件によっては30万円程度になることもあります。
【設備工事1】ガス工事にかかる費用と注意点

"プロパンの場合はボンベと器具をつなぐだけでガス管の工事は必要ありませんが、都市ガスの場合は工事が必要です。初めから飲食店用のガス管を引いている場合は特に問題はなのですが、そうではなかったテナントに入る場合は、ガス容量を増やす必要があります。
寿司屋なのかカフェなのか、それとも中華料理のように火力の強さを必要とする店なのか、その種類によってガスの種類が異なります。カフェなら6号の号数で良いところ、中華料理なら16号以上必要な場合もあるのです。そのためどんな種類の料理を提供する店なのかということを工事の専門業者にしっかりと伝えておくことが重要です。
また立地条件によってはガス管の工事ができない場合もあるので、工事をする前にしっかりと確認をする必要もあります。もし容量不足が改善しない場合は、IHに置き換えるか物件を変えるしか方法がないので早めに確認をすることが勧められます。
飲食店のガス管は一般家庭のガス管の5倍くらいの太さのものを使わなければいけないので、もし細いままのガス管なら飲食用の管に替える工事が必要にあるのです。そのための費用は、30万円から40万円が相場です。
提供する料理に合った火力でないと充分なサービスが提供できないので、特にガス工事は重要な工事になります。居ぬき物件であっても前の飲食店の種類によってはガス容量が合わない場合もあるので、内装工事の前にしっかりと確認することが重要です。
【設備工事1】電気工事にかかる費用と注意点

飲食店をするのに、電気もなくてはならない設備です。エアコンやオーブン、電子レンジや食器乾燥機など業務用の機器を使うので、電気を使う場面は一般家庭と比べてずいぶん多いです。それにIHを利用する場合はさらなる電気容量が必要になるので、自分の店に合った容量の電気を賄えるような電気工事が必要です。
内装の改装をする場合は、余裕のある電気容量に替えることが勧められます。電気設備は時代の流れとともに変わってきました。昭和時代は100Vのみに対応する単相2線式配線が一般的でしたが、平成になってブレーカーを交換することによって100Vでも200Vまで対応できる単相3線式配線になったのです。内装する店の電気設備が2線式か3線式かを調べるのは、室外にある電力量計で知ることができるので、内装前にどちらであるかを確認してから2線式の場合は3線式に替えることが勧められます。
ブレーカーでも確認ができます。ブレーカーの扉を開けてメインブレーカーから線が2本出ているか、3本出ているかで見分けがつきます。飲食店でも、提供する料理の種類によって使う電力は異なります。居酒屋などはそれほど電気を使いませんが、焼き肉屋など各テーブルに焼き網が用意されていればそれだけ多くの電気を使います。
それほど電気を使わない居酒屋や洋食店など100Vの容量でも不足しない場合は、200Vにすれば安心ですがその分電気代もかかるのでどちらの方が良いかを考えることが重要になります。電気工事をする場合、工事にかかる費用として20坪程度の店で80万円から100万円程度が相場です。
【設備工事1】水道工事にかかる費用と注意点

飲食店の内装工事を行いうにあたり、水道工事をすることもあります。厨房やトイレの設備を入れたり変えたりするだけでなく、水道管の点検も一緒に行うことが勧められます。飲食店では、油やごみを除去するための「グリストラップ」という設備が保健所から義務付けられています。提供する料理の種類によって、この「グリストラップ」の容量も変わってきます。
いくらグリストラップがあっても油や粉を水で溶いたようなものなどは水道管にたまっていく可能性があるので、使う材料や調理法によって水道管を太くすることで今後の詰まりを防ぐことができます。
居ぬき物件ならグリストラップと水道管を高圧洗浄して汚れやつまりを取り除く程度の工事なので、10万円から15万円くらいで済みます。またトイレも厨房も何もない状態で、水道管の工事をするなら60万円から120万円くらいです。
トイレを造ったり改装する場合はトイレ設備を増設する必要があります。その場合はトイレをつけるだけでなく水道管を通さなければいけないので、そのための工事が必要です。きれいなトイレを設けることは、集客にもかかわってくることなので内装の改装の際にはトイレを男女別にしたり増やしたりすることは大切です。
水道工事も地面に接した場所にある店とビルの高層階にある店とでは、水道管の工事にかかる時間も費用も変わってきます。高層階で水道工事に費用が掛かっても、水の流れが悪くなるということがないようにしっかりと工事をすることが大切です。
【設備工事1】排気工事にかかる費用と注意点

飲食店で内装をする場合は、排気ダクトを新しくすることがあります。調理時の空気を外に出すダクトは飲食店にいは不可欠ですが、厨房だけでなくトイレでも排気は必要です。しかし排気といっても店内の空気を排出するだけでなく、外のきれいな空気を取り入れることも同時に行うことになるので、給排気工事ということになります。
ビル内にある店で、排気をビルの屋上に持って行く場合は足場を設ける必要があるためその分費用も多くかかります。排気工事に関しては最低で3万円ほどで高ければ300万円くらいかかるので、とても費用の相場に幅のある工事といえます。その中で屋上にダクトを設置する場合は、100万円以上と高くなるのです。
排気設備は排気と給気のバランスがとても大切な工事ですが、給気と排気の両方を機械式のファンで行う「第一種換気方式」と、給気を機械式で行い店内の空気を排気口から自然に外に出す「第二種換気方式」、それに給気を自然に取り入れ排気を機械のファンで行う「第三種換気方式」の3つの種類があります。第二種に関しては給気はできても排気がしにくいので飲食店ではあまり用いられず、第一種化第3種が使われます。
第一種の場合は第三種に比べてどちらも機械でファンを回すので電気代がかかりますが、臭いや湯気が出やすい料理を提供する場合は電気代がかかっても第一種換気方式を用いる方が、店内のお客様にとっても近隣にとってもトラブルが起きにくいことが期待されます。